皮膚刺激は知覚神経を介して中枢に伝わり反射で効果器官や部位に初期作用としての筋肉の弛緩(収縮)や血行、皮膚温度の変化などが現れる。
美顔鍼の作用を筋肉への直接の刺激による活性化と捉えている説明が多いように見受けられる。
刺針が切皮と言われる皮膚を破るときの刺激なのか筋肉などの体内での針の作用なのか、あるいは相乗作用なのかは証明できず、現在のところ経験則でしか言えないようだ。
顎の後ろから耳の下三叉神経(顔面神経)を刺激すると顔の側面の筋肉が収縮して皮膚が締まりリフトアップと言われる小顔になる。これは必ずしも刺鍼でなくても皮膚刺激で作用するため、神経の反射作用と考えられる。さらに繰り返しや継続刺激で作用効果が固定して老化による退行からの回復作用で美容に結びつく。
ハリ灸や皮膚刺激治療の作用は本当の意味での健康美を作る、消化器官の調整、代謝促進、必要としない摂取食物の排泄などの体調のコントロールを得意としている。
足指の裏の第一関節から後ろの平時にはほとんど刺激を受けないところを摩ったり押したりすると喉や食道と思われるところに胸やけに似た感覚が感じられる人が多い。これは胃の活動が活発になり胃酸の分泌が増えることや食道の収縮が緩むことが観察されている、更に大小腸の蠕動も盛んになる。
現代の生活では常に履物を履いていて足裏を直接刺激することがなく、数十年前までは自然であった素足での足裏の刺激がなくなってしまったことが便秘や肥満、腸内の異常発酵等の原因の一部と考えられる。
怪我や寄生虫の侵入、感染症に注意して素足での生活をすることで異常な肥満や消化不良その他の消化器系等の悩みの多くが解決するのではないか。
古くから農閑期の保健や旅に出ての食・水あたり防止、更に不老長寿のツボとして「足三里」に灸をすえる風習が受け継がれてきた。
現代になっての研究で足三里は上記の足裏同様に消化器系への作用が多く真の健康美には最適のツボと言える。
膝の下おおよそ10センチ、脛骨の外側の筋肉の上の窪みを爪先で押して良く感じる点にマグレインを貼付しておくと長期間はがれることがなく大した努力をせずに作用を期待できる。
より積極的に健康美を求めるために、シャ作用が勝る各経穴の中で下肢内側の三陰交、陰包への貼付と軽いマッサージや、大腸の活動を高めるために神闕(へそ)の間際の周囲と下腹部の過敏点への貼付や軽擦・摘まむ等の刺激で早い結果が期待できる。